イオンプレーティングとは
この技術は、熱とプラズマのエネルギーを利用して真空環境で金属を蒸発させて反応性ガスと結合させてセラミックを形成し、
それを加工対象に衝突させることでコーティングする技術です。従来の湿式メッキ(金メッキやロジウムメッキなど)と比較して、
耐摩耗性と接着性などに優れています。
イオンプレーティングの表面色
また、イオンプレーティングは、多様な色のコーティングを実現できる技術です。
これは、コーティングに使用される材料やプロセスの調整(層の厚さ)によって、さまざまな色の表面仕上げが可能となるためです。
例えば、窒化チタン(TiN)や酸化チタン(TiO2)を使用して生成されたイオンプレーティングでは、鮮やかな色を呈する条件にすることができます。薄膜の厚さが可視光の波長と同程度になると、薄膜を通過する光は表面・裏面の両側で反射します。このとき反射光が干渉し合います。青色の波長(約450-495nm)が強め合うように設計することで、青色に見えるコーティングになります。
イオンプレーティングの特長
優れた耐久性
イオンプレーティングは、非常に硬いコーティングを生成します。これにより摩耗や傷に対する耐性が優れています。
加えてコーティングが基材と非常に強固に結合しているため、日常の使用や過酷な環境下でもコーティングが剥がれにくいと言えます。
さらに、コーティングが均一で密度が高く酸素や水分などの腐食因子が基材に到達しにくいことで、酸化や錆びに対して非常に強い耐性を持っています。
低アレルギー性
通常のメッキ方法に比べてアレルギーのリスクが低いとされています。
これは、イオンプレーティングのプロセスが、高密度で均一なコーティングを生成するため、
アレルゲンとなる金属の露出を最小限に抑えることができるからです。